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高齢者の生活空間で考えてほしい色のこと

コラム

おはよございます。

代表の染川です。

当社では、介護施設の安全性を高めるための色彩研修を実施しております。

詳細はこちらをご覧ください。

 

今日は、高齢者の生活空間において工夫や配慮をしていただきたい色の使い方を解説いたします。
ケガや事故を防ぎ、安全性と快適性を高める色の使い方をお伝えします。

①床、壁、天井を明るい色にする。
床置きした物や壁掛けの掲示類の認知が高まります。
とはいえ、真っ白にしてしまうと純度の高い白は筋肉を硬直させやすい働きがあるため、リラックスするには不向きです。
また、真っ白は光の反射率が高く、眩しさで視界を不明瞭にさせてしまうことがあり、目の疲労も大きくなります。
以上のことから、オフホワイトやクリーム系の白が適切です。

②壁とドアの色は明確に変える。
コントラストをつけることで、物の識別がしやすくなります。壁とドアの色を異なる色にすることで、ドアがどこにあるかが分かりやすくなります。
壁とドアを同色にしても手すりが金属色なので大丈夫かと言えば、目線や面積を考えると知覚力が低下します。
壁とドアそのものの色を変えることが重要です。

③段差や死角には明暗差をつける。
転倒や衝突の原因になりそうな場所は、明るさの差を大きくつけた色使いが最適です。
階段の踏面と蹴込、上がりかまちなどを確認してみてください。
高齢者の視覚特性上、色みの違いよりも明暗の違いが知覚されやすいため、明るさを変えることが効果的です。

④手すりや腰掛は背景と違う色を使う。
そこに手すりや腰掛があることを認識してもらうためには、背景とはっきり異なる色を使いましょう。
背景と前景の色にしっかり差をつけておくことで、それぞれの存在が引き立ち、距離感や存在感を知覚しやすくなります。
背景がクリーム色の壁紙なら、手すりは濃いブラウンにするなど、似た色にしないことがポイントです。

⑤掲示物の色使いはコントラストを付ける。
サインや案内板などは文字が大きく見やすく、地と図の関係においてコントラストをつけることが重要です。
例えば、照明の影響や視覚の特性によって、白地に黄色で描かれた表示は見えにくく、青や緑は黒に近い色に見えることがあります。
地色と図色をはっきりと区別させることにより、文字の視認性が高まり、高齢者に優しい表示になります。

⑥団らんスペースには暖色を使う。
交流したり会話が弾みやすくなってほしい空間には、暖色が効果的です。
自宅であればリビング、施設であればコミュニケーションスペースや共有リビングなどがそれに当たります。
中でも、親近感がわきやすく発話を促すオレンジや、自由と行動を促進し好奇心が高まる黄色は、コミュニケーションを促してくれる力があります。
オレンジを変化させたベージュや茶色もおすすめです。

⑦空間によって照明を変える。
高齢者は光の強さに敏感で、眩しさや暗さによって見え方が変わることがあるため、照明計画も重要です。
照明は、明るさだけでなく色温度も考えてみましょう。
例えば、青系の寒色系の照明は副交感神経を優位にするため、寝る場所には適していますが食事やレクリエーションルームには向きません。
また、照明器具は目線よりも高い位置に設置することで、目に入る光量を減らすことができ眩しさを抑えられます。


高齢者の視覚特徴やニーズを考慮して安全で快適な空間をつくることで、その場所をより居心地よくリラックスできる空間にすることができます。
工事不要でできることも多いので、ご自宅や施設でぜひ何か取り入れてみてください。

お手伝いが必要であればお声がけください。

 

 

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